山浦清美のお気楽トーク

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ボウリングの魅力って何だろう!?~その7

 ボウリングの醍醐味はやはり何といっても綺麗なストライク(ジャストポケット)が取れた時でしょう。ボールがピンに当たった瞬間、これまで厳然と屹立していた10本のピンが一瞬のうちに消え去り、そしてピンが弾ける透明感のある音がボウリング場内に響き渡った時の何とも言えない爽快感は他の何ものにも代えがたいものがあります。

 とは言うものの、中々このようなストライクにはお目に掛かれません。大抵のストライク音は、歪んだような音となってしまいます。でも完璧なストライクであろうが、ぼてぼてのストライクであろうがストライクはストライクです。同じ点数としてカウントされます。悪いことにジャストポケットのストライクの後にはスプリットになる確率が高いように思います。

 それは、前に述べたようにレーンの状態が変化するからです。(参考:「ボウリングの魅力って何だろう!?~その2」「ボウリングの魅力って何だろう!?~その3」)

 このレーンの変化がボウリングの面白さに関係します。もしレーンが変化しなければ、投球精度の高いボウラーが必ず勝ちます。ジャストポケットへの軌道が判明したらひたすら同一の投球動作をすれば必ず綺麗なストライクとなるはずです。となればゲームをするまでもなく勝敗は最初から決まっているのです。

 ところがレーンの状態は時々刻々変化します。レーンに塗布されたオイルは時間と共に蒸発します。レーンの温度やレーン表面の気流によっても影響を受けます。例えば、エアコンの吹き出し口の近くであったり、出入り口の近くであったりした場合などは他のレーンと比べると変化の具合が異なります。その他諸々の条件が影響して、レーン毎に状態が異なっております。

 そして、1投投げる毎に手前のオイルは削られ奥に運ばれます。複数人で投げる場合には、それぞれの投球ラインが異なりますので、より複雑な変化となります。更に、スペアを取る場合にはストライクを狙う軌道とは異なる軌道となりますので、より一層複雑さが増していきます。ですから同じ状態のレーンは一つもないと言っても良いと考えられます。

 そういった状況を踏まえ、ボウラーはポケットやスペアカバーを狙います。さて、どうやって見えないレーンの状態を感知し、ストライクやスペアが取れるようになるのでしょうか。

 そこで、初心者の頃を思い出してみてください。先ずは初心者向けの教室や教本などで2番スパットを真っ直ぐ投げてくださいと教わります。投球してみた結果、ポケットより右(左)に行けば、少し右(左)に立ち位置を移動して2番スパットめがけて投げましょうと教えられます。そして、ちょうどポケットに当たる位置を見つけます。こんな調子でアジャストの方法を学んだと思います。

 スペアはポケットに行く立ち位置を基準にした3-6-9システムというのを教わると思います。このようにして皆目見当がつかなかったレーンの状況を踏まえたアジャストのやり方を身に付けることが出来た訳です。

 しかし、初心者の頃は投球精度が低いので立ち位置と行き先の対応関係が結びつきにくい状況にあります。ですから投球精度がある程度向上するまでは、ひたすら2番スパットを目指して投げ込むことになります。

 この見えないオイルというものをどのようにして読み取り、そしてどうすればストライクやスペアが取れるような投球をするかを考えながらゲームを展開していく醍醐味というものもボウリングの魅力だと思います。

 最初は試行錯誤的に取り敢えずやってみて駄目だったら別の方法を試してみるといったことから始まり、最終的には何らかの数理モデルが構築できるかも知れません。しかし、実際には複雑すぎて解けないかも知れませんが・・・。

 とにかく色々な知覚情報からレーンの状況を読み取り、ストライクやスペアの確率を最大化する方法を考え、そして実際に投球を行う。その投球結果を新たな情報として次の投球動作に繋げていくといった繰り返しを通して、経験値を向上させていくことにより、より精度の高い予測を可能とすること自体に面白さを見出すというのも楽しみ方の一つかなと思っております。

 

<参 考>

honeybadger.hatenablog.jp

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