試合後のインタビューで勝った選手が取材に応じて「皆さんからパワーをもらって優勝することができました!!!」という場面を良く見かけます。この「パワー」が「エネルギー」であることも良くあります。少ないでしょうが「力」という場合もあります。あるいはコンサートで盛り上がった時にも観客から「~をもらって」という表現をされることがあります。
さてそれぞれどのような使い分けがなされているのでしょうか。どの場合にも同じ意味合いで使われているようです。発言したご本人達は深く考えずに何気なく使っているに過ぎないと思います。ですから目くじらを立てるようなことではないのですが、何となくすっきりしないので取り上げてみることにしました。
このような時便利なAI(Gemini君)に問い合わせてみると次のような回答でした。
ー以下引用ー
「パワーをもらう」「エネルギーをもらう」「力をもらう」は、いずれも**「何らかの働きかけによって、活力が湧いたり、行動する気力や能力を得たりする」という共通の意味合いを持ちますが、それぞれにニュアンスの違い**があります。
パワーをもらう
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ニュアンス: 強い影響力や精神的な勢い、または物事を動かすための能力・勢いといったものを、人や場所、出来事などから受け取るイメージです。
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用途:
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精神的・物理的な勢い: 「あの人の熱いスピーチにパワーをもらった」「富士山から大地のパワーをもらった」。
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自己肯定感・行動力: 「好きな音楽を聴いてパワーをもらい、頑張れた」。
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特徴: 外的な、強くて活発な、時に目に見えない影響力を受け取る際に使われやすい傾向があります。カタカナ語であるため、現代的で勢いのある印象を与えます。
エネルギーをもらう
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ニュアンス: 活動の源となる活力、気力、体力といった内面的な原動力を、補充・供給してもらうイメージです。
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用途:
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生命力・気力: 「おいしい食事でエネルギーをもらった」「太陽の光からエネルギーをもらった」。
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活動の源: 「友人との会話で仕事のエネルギーをもらった」。
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特徴: 持続的な活動や生命活動に必要な「燃料」を補給するという、より根本的で内側から湧き出る活力を意味することが多いです。「活力」や「元気」に近い意味合いで使われます。
力をもらう
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ニュアンス: 具体的な助け、行動を起こすための後ろ盾、または精神的な支えや行動する能力そのものを受け取るイメージです。
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用途:
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物理的・精神的な援助: 「みんなの応援が力になった(力をもらった)」「先生のアドバイスを力にもらった」。
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能力・権限: (この文脈ではあまり一般的ではないが)「特別な力をもらう」といった表現も可能。
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特徴: 「助け」や「支え」といった具体的または精神的な援助・支援を受けるという文脈で最も自然です。3つのうちで最も日本語として一般的で、幅広い状況で使えます。
まとめ
| 表現 | 主なニュアンス | 受けるもの(例) |
| パワーをもらう | 強い勢い、精神的な活発さ、推進力 | 熱意、場所のエネルギー、強い音楽 |
| エネルギーをもらう | 活動の源となる活力、内面的な気力・体力 | 食事、睡眠、自然、人との交流 |
| 力をもらう | 支え、助け、行動能力、励まし | 応援、アドバイス、信頼 |
ー以 上ー
ウーン良く分からないですね。私は理系人間なのか、パワー、エネルギー、力は厳然と区別できるものとしてきました。ですから上記のような表現をされると戸惑ってしまいます。まぁ、どうでも良いことと言えばその通りなのですが、それでも気になってしまうのです。それに類するものとして、「質量」と「重さ」、「電力」と「電力量」などなど。
社会生活を送る上で「質量」と「重さ」や「電力」と「電力量」の違いが分からなくてもさほど困ることは無いと思います。ましてやインタビュー等で「パワー」「エネルギー」「力」のどの言葉を使おうがあまり意味のあることではありません。AIが指摘しているように「カタカナ語であるため、現代的で勢いのある印象を与えます。」ということで使っているという側面があるのだと思います。
しかし、かつてどこぞの都知事が「電力」と「電力量」を勘違いしてとんでもない主張をしたことがありました。「電力」と「電力量」はちょうど「パワー」と「エネルギー」の関係にあります。これを取り違えると大変なことになってしまいます。
本来異なる意味の言葉を似たようなニュアンスで使うことの恐ろしさは色んな所に潜んでいるのかも知れません。
やはり言葉は本来の意味で用いるようにした方が良いと思います。特に権力者やマスコミ関係者などは厳守していただきたいと思う次第です。
<参 考>