山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トーク

ファクトチェックをチェックする!?

 以前「消費税軽減税率変更に伴うシステム改修に半年も掛かる!?」という記事を投稿しておりました。その後、情報番組で政治評論家が朝日新聞のファクトチェックで総理の答弁が正しいとされていたことを理由に1年掛かるというのは正しいものだったというコメントをしておりました。

 私はてっきり半年だと思い込んでおりましたので、1年だったことが驚きでした。取り敢えず、そのことは置いておきまして、先ずは朝日新聞のファクトチェックの内容が気になるところです。その内容は次のリンクからご参照ください。

www.asahi.com

 以後「」内の文言は上記記事からの引用したものであります。

 先ず気になるのは、情報の取材先です。「POSシステムの税率変更にどれほどの期間が必要なのか。合わせて業界シェアの7~8割を占める大手システムメーカー3社(東芝テック富士通NECプラットフォームズ)に聞いた。」とあります。

 これは首相の情報源とほぼ同じであろうと思われます。「加藤勝信財務相は27日、参院財政金融委員会で野党議員の質問に対し、複数の大手システム事業者への聞き取りの結果として「短期間で対応可能とする事業者があった一方で、少なくとも1年は要すると見込む事業者も複数あった」と答弁。」ということからも裏付けられます。

 ファクトチェックするのに何故同じ情報源に取材したのでしょうか。そして「ほぼ正確」という判定は概ねこのメーカーの言い分に基づいております。これでは最初から結論ありきの取材としか言いようがありません。

 ましてや当該メーカーは謂わば当事者なのです。一方の当事者の主張で、その言い分が事実であるということは全くもっておかしな主張ではありませんか。

少なくともその反対の立場の主張も取り上げるべきでしょう。更に公平性の観点からすれば第三者的立場から客観的な情報を基に評価すべきではないでしょうか。

例えば、情報処理の専門家などのいわゆる有識者(これも賛成反対の両論が必要)に裏付け取材することは最低限必要なことなのではないでしょうか。あるいはテレビ番組でよくあるように『エンジニア100人に聞きました』などといったことでも良いのでは?

 更に細かく突っ込むと、メーカーに聞いたとのことですが、メーカーの誰に聞いたのでしょうか。おそらくは広報部門になるものと思われますが、問い合わせを受けて各関連部署に問い合わせられ、それが持ち寄られて政治的判断が加えられ件の回答となったのではないでしょうか?

 技術部門からは大して時間は掛からないという回答があったとしても、他部署から色々な利害調整が加えられるものと容易に想像できます。

 国が1年掛かると言っているのに短期間で出来ると言えるかとか、国や地方自治体から大きな仕事を取ってきているのに逆らえる訳ないだろとか。

 万一、軽減税率が変更になったとしたら、簡単に出来ると言ったら金がもらえなくなるではないかとか。

 そんなこんなで、首相が1年掛かると言っているのだからそれに沿った回答をしておいた方が無難だということに落ち着いたのではないかということが容易に想像できます。

 まだまだ突っ込みどころ満載の記事ですが、一々コメントすることに疲れてしまいましたので、これ位でやめにしておきます。

 しかし、朝日新聞とあろうものがちゃんとした取材もせずに安易に「ほぼ正確」といった判定をする。そして政治評論家はこれを引用して首相が言っていることは正しいと主張する。これが電波に乗って大衆に伝わるといったことで世論をミスリードする結果になるといった構図になりはしないかという懸念があります。

 一つ一つは些細なことであっても、これが変な具合に共振し、大きく増幅されれば大変なこととなってしまいます。ネット社会ではこの現象が端的に現れるようになりました。

 もともとファクトチェックはフェイク情報を正すためにあるものです。そのファクトチェックそのものがこの程度のものであるということを念頭に置いておく必要があるということでしょう。

 要は例え専門家の主張であっても、鵜呑みにせず自分の頭で考える必要があるということに尽きると考えます。