報道によりますと来年夏に行われる参議院議員選挙の選挙区選挙において合区などすることで10増10減とする見通しになったということです。合区に関しては自民党の反対により見送られておりましたが、(参考:「参議院一票の格差是正を放棄!」)一転妥解決したかのように見えますが、これは違憲判決を突きつけられ切羽詰まった状況に追い込まれた末の妥協の産物として生まれた結果にしか過ぎません。10増10減したとしても一票の格差は2.97倍としかならず、抜本的な解決とは程遠いものがあります。現在の制度を前提とする限り、対象となる合区を広げていくしかありません。しかしながらこれを進めていけば、程度の差こそあれブロック制といったことになります。
さて、選挙区が都道府県単位となっていることにどのような合理性があるのでしょうか。地域代表といった側面があることは否定できないでしょう。であるならば、都道府県の人口の多寡に拠らず一選挙区当り同一人数にするという手もあるはずです。例えば、アメリカ合衆国上院議員は各州2名となっております。
しかしながら、立法では人口比例の原則に則った定数配分としており、最高裁の判決もこの立場に拠ったものとなっております。
自民党が合区に反対なのは、結局のところ合区により議席がなくなることが問題なのであって、都道府県単位の選挙区の必要性が議論されているようには思えません。どうしても都道府県代表が必要とならば、アメリカ上院のように一票の格差が如何に大きかろうとも各選挙区同一定数とする方が望ましいでしょう。無論、最高裁判所の違憲判決がある以上、憲法改正する必要があるということになりますが・・・。そこまでやる気がないのなら、合区に反対することはお止めになった方が良いと思います。でなければ何か別の制度へ移行すべきであろうと考えます。
やはり議員定数や選挙制度の問題は、もっともっと掘り下げた議論をする必要があります。小手先のやり繰りで一時しのぎをしても直に行き詰ってしまいます。
<参 考>
「議員定数削減は本当に国民の要望か?」「議員定数削減と選挙制度改革(衆参の選挙制度の同時改革)」「なさけなや参議院!!-0増5減再可決」