迂闊にも現行憲法第97条が自民党案では削除されているのに気付かず新聞報道ではじめて知りました。
このことは「日本国憲法改正草案 Q&A」にも触れられておりません。何となくこっそりと削除しようといった思惑があるのではないかと邪推してしまいます。この規定は、現行憲法が保障する基本的人権についての制限的改憲を許さないといった条項と受取れます。即ち、より多くの基本的人権を盛り込む改憲は可能であるが、制限するような改憲は許されないとするものです。
他国にも改憲手続きによっても改憲できないとするコアな条項がある憲法があります。基本的人権に関しては、このコアな条項に類するといった規定であると考えられます。「憲法改正について思うこと」や「憲法第96条の先行改正について」などで述べておりますように、憲法について多くの議論が捲き起こることは望ましいことです。自民党草案の第96条改正で全てのハードルを下げるより、コア部分は現行憲法の条件で、それ以外は自民党案のようにハードルを下げるといったこともありではないかと思います。
話を元に戻しますと「自民党の日本国憲法改正草案について(2)-公益及び公の秩序」でも述べておりますが、改正草案では基本的人権をより制限的にしようといった思惑が見え隠れしております。特に第21条第2項を新設するにあたって、第97条が邪魔になったのでしょうか。もっとも現行憲法第11条の規定は、そのまま残されているので、重複して規定されていたものを整理したといった意味合いがあるのかも知れませんが・・・。
このあたりも明確に説明していただきたいものだと考えます。